2021年2月10日水曜日

ローカル駅からはじめる自転車散歩【阪急電鉄 京都本線 南方駅】

 ゆっくり起きた予定の無い休日の朝、折り畳み自転車とともに列車に乗って、ふらっと思いのままにローカル駅で降りてみる。特別な観光地ではなく、普通に人が暮らし、働き、近所の公園で子どもが遊んでいる、なんの変哲もない町だけど、のんびり走ってみると、いろいろな発見や出会いがある。そんな、小径車だからこそのゆるい自転車散歩をお送りする連載記事。今回は、大阪 梅田と京都中心部を結ぶ阪急電鉄 京都本線の南方駅からスタートします。



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梅田駅から約6分。新大阪駅に近くてホテルも多いオフィス街の駅、阪急 南方(みなみかた)駅にやってきました。京都梅田間の往き来でよく通りはするものの、御堂筋線への乗り換え以外で下車することは少ないイメージの駅です。2面2線の相対式ホームからなる地上駅で、ホーム間の移動には一度改札を出る必要があるのも、今では面白いと感じる特徴。以前は普通のみ停車する駅でしたが2007年より準急が、加えて2010年より快速も停車する駅になったそうです。

写真は淡路、京都河原町方面行きの改札前です。通過する列車で踏切は四六時中忙しく開閉を繰り返していますが、遮断機が降りた状態が長時間続くというわけではないので開かずの踏切というわけではなさそうです。駅前に広場などはなく、輪行袋からの展開は道路脇のラバーポールの外側、交通を妨げない場所で行いました。

今回の車体はClinch D10(Color:ガンメタル)です。折り畳み自転車によく見られるレバーがないため言われないと気付かない人が多いですが、Lock Jawフォールディングテクノロジーという折り畳み機構を採用した折り畳み自転車です。接合部がしっかり噛み合って固定されるので、力強く漕げる剛性の高いフレームになっています。

Clinchの読みはクリンチです。フレームの折り畳み・展開は、アーレンキー(六角レンチ)でボルトを180度回転させるだけの簡単操作。断面部の凹凸によりチューブの接合面積が十分に確保されるため強固な固定力が得られる、折り畳み機構です。

南方駅のすぐ西隣(写真手前)には千里方面と大阪市内を結ぶ新御堂筋(国道423号)やOsaka Metro御堂筋線の高架があり、地上の側道も人や車がひっきりなしに踏切を渡っています。

改札内で両ホームを連絡する通路のない南方駅は、線路を挟んでホームや駅舎があるだけのシンプルな構造です。御堂筋線との乗り換えで利用する方も多いものの、新大阪駅は700mほどと徒歩圏内です。隣接するOsaka Metro 御堂筋線の西中島南方駅の読みは「にしなかじまみなみ【が】た」と濁り、阪急の南方は「みなみ【か】た」と濁りません。

南に向かうとすぐに淀川河川敷に出ます(自転車だと1分くらい!)。対岸に梅田の高層ビルの風景が広がるこの辺り(右岸)の河川敷は淀川河川公園 西中島地区で、近隣の方が散歩していたり、遠方から家族連れで遊びに来たりと、様々な人たちの憩いの場所になっています。

この日は、厳しい寒さの続く冬真っ只中で、少し寒さの緩んだ日でした。残念ながら薄く雲が広がっていましたが、気持ちのいい空気を目一杯吸うことができました。この辺りは大阪人には有名な、綺麗な夜景も楽しめるスポットです。

淀川には多くの橋が架かり様々な列車が往き来しているので、鉄道好きの子どもを連れてくるのも良さそうです。写真は新大阪駅と大阪駅を結ぶJR京都線。3本の鉄橋で計6本の線路が淀川を渡っています。ちょうど現れた列車は、京都と鳥取方面を結ぶスーパーはくとでしょうか。


阪急千里線(左)と、天神橋筋に繋がる長柄橋(ながらばし)。川岸には釣り人や、ゴムボートで漕ぎ出す準備をしている人がいました。在宅勤務で身体を動かす機会が減っているので、自然に触れる時間を意識して増やしたいですね。

千里線を含む阪急京都線はOsaka Metro堺筋線と相互乗り入れをしていて、2019年には相互直通運転50周年を迎えました。子どもの頃、交互に駅に到着する阪急と(当時地下鉄と呼んでいた)Osaka Metroの車両を見て楽しんでいたのを思い出しました(堺筋線なのに赤いラインカラーのしゃりょ)。長柄橋には人柱の歴史がありますが、その頃の長柄橋は川筋が大きく違ったことから今の東三国・江坂間の神崎川辺りに架かっていた様です。

長柄橋のすぐ上流には淀川大堰が。よく自転車乗りの方がここでの写真をSNSに投稿していますね。

淀川大堰は、淀川の流れの一部を毛馬水門から大川に供給する役割を担っている構造物です。堰とは堤防機能をもつ水門と区別されている言葉で、淀川大堰は稼働部分だけでも計330mとなる、6門の門扉がある可動堰です。

淀川大堰を眺めながら少し進むと、川を眺められる広場に出ました。淀川にはかなり多いと言われるヒドリガモでしょうか。優雅に水面を漂っている様子を眺めていると、こちらまでのんびりした気分になりました。対岸(淀川左岸)は淀川サイクリングロードが整備され、自転車乗りにはメジャーなコースとなっています。写真右手が先ほどの淀川大堰、左手には毛馬閘(こう)門を含む毛馬水門が見えます。

大川はかつての淀川の本流で、現在の淀川(新淀川)は淀川放水路として1907年に開削されたものです。毛馬水門は、淀川から分岐して都心部を流れる大川の水位を調整する設備です。大川は下流にいくに従い堂島川、安治川と呼ばれ、中之島を経て大阪港に通じています。淀川は瀬戸内海に流れる河川の中で流域面積が最も広い川ですが、淀川大堰より下流部分が人工の放水路であることは、大阪人にもあまり知られていないように思います。

今回のコースとは直接は関係ありませんが、こちらは昨年暮れに撮っていた、珍しく水位の高い土佐堀川(中之島)の様子。天候や干満、その他様々な目的により日々計画的に流量を管理されている皆さんのおかげで、私たちは安心して暮らすことができているんですね。

川沿いを走ると、色々な設備があることに改めて気付きます。こちらは大阪市内 中・北・西北部に給水する柴島浄水場の取水塔です。年代を感じさせる大正時代の煉瓦造りの外観に、最初は「エ?ここが?!」と驚きましたが…いつもお世話になっています。


土手を上ると、こちらにものんびりとした景色が広がっていました。パブリックショートコースで初心者も楽しめるゴルフクラブだそうです。


河川敷を後にし、阪急 淡路駅の方へ向かいました。以前から連続立体交差工事の様子をチラッと見かけ、じっくり見たいと狙っていました。間近で見ると、その迫力に圧倒されました。


淡路駅は京都本線と千里線が平面でクロスしている駅で、梅田から京都方面、北千里方面、京都から梅田方面、天神橋筋六丁目方面へ向かう列車が乗り入れています。工事は、総延長7.1kmを連続立体交差化するもので、狭隘な都市部で約800tの重さの鋼製トラス橋を掛ける作業は、施工会社の記事を見るだけでドキドキです。新しくなる淡路駅ではホームが3Fと4Fの二層構造になるそうです。

新大阪駅の方へ向かい、渋い外観がいい雰囲気のたかうち珈琲店に立ち寄りました。好きな割にはあまり知らないので、希少種も揃うメニューから「土のような香り」「強めの苦味」と書かれたマンデリンをオーダー。強めの苦味がちょうど自分好みで幸せな気持ちになれました。フラッと入った店でしたが、昔ながらの珈琲専門店らしい心地よさがありました。

コーヒーの産地は大きく分けると、中南米、アジア、アフリカの3つの地域に分類され、マンデリンは、インドネシアのスマトラ島の一部地域で栽培される、アラビカ種の希少なコーヒー豆だそうです。あまりの美味しさだったので、また機会を作って訪問したいと思います。

たかうち珈琲店を出て新大阪駅の方に進むとJR在来線を跨ぐ歩道橋があったので、上がってみました。長年大阪に住んでいますが、この歩道橋に上がるのは初めてです。在来線のホームが並ぶ様子を正面から望めます。新大阪駅では、4階の新幹線ホームが20番から27番線なのに対し、1階の在来線ホームは1番から10番線。始発駅でもあるので、長時間停車している列車も見えます。昭和の時代から変わらない風景なんでしょうね。

男の子のいる家庭の父親は、自分も子どもに戻って一緒に遊べるのが楽しいですよね。お前もその良さが分かる歳になったか…なんて心の中で呟いたり。様々なタイプの列車が行き交う大きな駅で、親子の微笑ましい姿に出会いました。

企業のオフィスやビジネスホテルの多いエリアを抜け、新御堂筋より西側に移動しました。背景は鉄道ファンであればすぐに分かりそうな場所ですが、正式名を網干総合車両所 宮原支所というJR西日本の車両基地です。近隣の子どもが遊ぶ公園にも面していて、この日も親子連れが列車を見にきていました。

今回走った距離はさほど長くないですが、Clinch D10は剛性の高いフレームで本当によく走る車体でした。

最後に、この車両基地を見渡すことのできるスポットにやってきました。右手に、87系寝台気動車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の姿も見えました。いつかはこんなクルーズトレインで輪行旅をしてみたいものですね。

写真は、新御堂筋の側道の歩道からです。自転車は駐輪場に停めてくる必要がありますが、見応えのある景色が広がる、お勧めの眺望ポイントです。

今回巡ったポイントと走行ルートです。約11kmのショートトリップでした。今回は立ち寄りませんでしたが南方駅周辺はラーメン激戦区でもあるので、お好きな方は事前に調べておくのも良いかもしれません。


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今年からスタートした「ローカル駅からはじめる自転車散歩」の第2回は如何でしたか?日本には全国くまなく駅があり、輪行すれば「楽に長距離を」「比較的安価に」移動でき、天候や体調の急な変化や機材トラブルにも対応できます。今回はClinch D10という車体が登場しました。輪行に向いた折り畳み自転車を選ぶ際は「折りたたみ方法がシンプルで簡単なタイプ」「折りたたみ時によりコンパクトになるタイプ」「折りたたみ時に持ち運びやすい形になるタイプ」「車体が軽いタイプ」といった点を重視すればベストです。今回のClinch D10はどちらかと言えば軽量コンパクト性よりも走行性能を重視したモデルなので、1日でしまなみ海道を走破するような走り方に向いていそうです。DAHONでは様々な折り畳み自転車(フォールディングバイク)をラインナップしていますが、走行機能と折りたたみ機能のバランスを考えながら直感的な好みも含め、自分にあった製品を選んでください。

DAHONでは今後も引き続き、様々な地方のローカルな鉄道駅を起点にした自転車散歩(ポタリング)記事を連載いたします。更新時にはFacebookやTwitterでお知らせしますので、ぜひフォローをお願いします。また「ローカル駅からはじめる自転車散歩」専用のInstagramアカウントもスタートしましたので、こちらもぜひチェックをお願いします。


*使用車体
 DAHON / Clinch D10(Color:ガンメタル)2021年モデル

*この記事で紹介している情報は、2021年2月時点の取材に基づいています。
*歩行者のいるところや細い路地などは押し歩きや道を迂回するなど、マナー優先でサイクリングを楽しみましょう。

2021年1月9日土曜日

ローカル駅からはじめる自転車散歩【Osaka Metro 中央線 大阪港駅】

 ゆっくり起きた予定の無い休日の朝、折り畳み自転車とともに列車に乗って、ふらっと思いのままにローカル駅で降りてみる。特別な観光地ではなく、普通に人が暮らし、働き、近所の公園で子どもが遊んでいる、なんの変哲もない町だけど、のんびり走ってみると、いろいろな発見や出会いがある。そんな、小径車だからこそのゆるい自転車散歩をお送りする連載記事。今回は、奈良県からの近鉄けいはんな線と相互直通運転され、東大阪市の長田駅から大阪南港のコスモスクエア駅までを結ぶOsaka Metro中央線の、大阪港駅からスタートします。


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大阪のビジネス街の中心地 本町駅から中央線で5つ目の駅、大阪港駅にやってきました。本町駅からだと10分ほどで到着します。島式1面2線ホームを持つ高架駅で、このホームは3階に、改札・コンコースは2階に東西1箇所ずつあります。


これより先は、大阪港咲洲トンネルという海底トンネルで南港と結ばれています。下の写真は、ホームのある3階から一気に地中まで降りていく部分です。

中央線は地下から高架になり海底トンネルと、変化に富んだ車窓からの風景も楽しみの一つです。

大阪港と聞いて分かる人は大阪人でも意外と少ないかもしれませんが、開館当時から巨大な水槽やジンベイザメで話題となった海遊館のある天保山といえばみんな分かりますね。この辺りは江戸時代末期から大正時代にかけて埋め立てられた歴史のある土地で、江戸時代 は天下の台所、大坂の玄関口として、大正から昭和にかけては日本屈指の近代港を擁する町として賑わいました。港湾施設として開発されたことから付近一帯は「築港」と呼ばれるようになり、海遊館などのある海沿いを除く中心部の大部分は、現在も大阪市港区築港として地名が残っています。


大阪の中心部からはミニベロでも自走できる距離ですが、輪行袋と呼ばれるカバンに収納して電車で移動してきました。工具無しで誰でもサッと折りたためる折り畳み自転車(フォールディングバイク)なら、気軽に輪行できるので便利です。駅にはもちろんエレベーターもあるので、自転車を担いでいても大丈夫です。

公共交通機関を利用して自転車を運ぶことを輪行(りんこう)といいます。サイクリングや旅行の行程の一部を自走せずに鉄道、船、飛行機、バスなどを利用するもので、遠くへ移動したり、時間を短縮することができます。

今回の車体は、Mu SLX(ドライレッド)。20インチサイズ最軽量の8.6kgを誇るフラッグシップモデル。持ち運んで軽いのは当然、走行面でもその恩恵を受けることのできる理想のライトウェイトバイク。輪行にも最適です。

「Osaka Metro」という表記は「大阪市高速電気軌道」の愛称で、正式ではありませんが「大阪メトロ」という表記もよく使われています。この大阪港駅のある場所は、日本初の公営の路面電車路線だった大阪市電が走っていた頃に三条通四丁目電停があった場所です。画像検索などで見ないとイメージが湧きませんが、確かに歴史を感じる建物も残されています。

まずは天保山公園へ行ってみました。天保山(てんぽうざん)といえば、日本一低い山としてご存知の大阪人も多いと思います。でも今は2番目に低い山になっています。情報のアップデートをお願いします。すぐそばの上空に阪神高速湾岸線の天保山大橋がかかるこちらが、天保山公園です。公園内には小高いエリアがありますが、二等三角点のある正式な山頂は海岸沿いの低めのところにあります。


天保山は1831年の安治川の浚渫工事(天保の大川浚)で出た土砂を積み上げられてできた築山で、灯台(高灯籠)も設けられ安治川入港の目印になっていました。長年「日本一低い山」とされていましたが、2011年の東日本大震災で仙台の日和山の標高が変わったことから、正式には日本で2番目に低い山となりました。

公園はのんびりとした時間が流れています。暖かい季節なら昼寝でもしたい雰囲気です。海遊館前、天保山ハーバービレッジの観覧車(天保山大観覧車)も見えます。

天保山公園は、淡い色のソメイヨシノと濃いピンクが特徴のヨウコウザクラが植えられており、花の季節になると濃淡の桜のコントラストを楽しむことができる、隠れた花見の名所だそう。

天保山公園のすぐ横からは、USJのある対岸とを結ぶ渡船(天保山渡)が運行されています。USJで働くスタッフの乗船も目立ちますが、無料なのでアトラクション気分で利用してみると楽しいですよ。USJは正面の大きなホテルの裏です。

大阪は古くから「水の都」として知られていますが、縦横に多くの運河や水路が走っていたことから市による公営渡船が多数運航されてきた歴史があり、現在でも8航路が大阪市により運航されています。自転車で渡船巡りをするコースも人気ですよ。

写真は、渡船場の待合室の壁です。ここの渡船(天保山渡)は、朝夕以外は1時間に2本の運行のようです。出発時間に合わせて利用者が一斉に(と言ってもこの時は10人程度でしたが)集まってきました。地元の方は流石に慣れているんですね。


くねくねと町の中を走りながら、西側の海辺の方へ向かいました。振り返ると観覧車も風景に溶け込んでいます。特別変わったところはないので思い込みかもしれませんが、どこか港町っぽい風情も感じられました。このように思い付きで自由に散策する自転車散歩は「ポタリング」と呼ばれています。輪行には簡単にコンパクトになり重さも軽めの折り畳み自転車が便利ですが、街なかをあちこち散策するのにもホイール(タイヤ)の小さな自転車=小径車が便利です。

天保山大観覧車は1997年開業で、一時は世界最大の観覧車でした。そういえば天保山ハーバービレッジには90年代、ベイサイドジェニーというディスコもありました。(←歳のバレそうな知識)

中央線沿いに進むと海岸の手前にレトロな建築が見えました。よく見ると建物は2棟で、写真手前が1935年竣工の天満屋ビル、奥が1933年竣工の(商船三井)築港ビルです。2棟とも3階建てですが、のちに周辺道路が嵩上げされたことから当時の1階部分が半分地下になり、現在は2階が玄関になっています。

天満屋ビルには現在、ハヤシライスが看板メニューのカフェや、ハンドメイドジュエリー工房などが、築港ビルにも飲食店などが入居しているので、実際にビル内部の雰囲気も見学できます。築港ビルは、大阪の海運を担っていた大阪商船(現在の商船三井)が建て、船員の待合所として使われていたそう。大阪の代表的近代建築、中之島のダイビルも大阪商船によるものです。

海岸に出ると天保山らしい景色が広がりました。左手のカラフルな建物が「海遊館」、右手前は「大阪文化館・天保山」。大阪文化館は2013年に改称される前の「サントリーミュージアム」という名称の方が馴染みのある方も多いでしょうね。


その手前に浮かぶのは、大阪水上警察署の警備艇です。2019年6月に大阪で開催されたG20の期間中は、他府県からの応援の警備艇もここに浮かんでいました。調べてみると正式には、大阪府警察が管轄する大阪水上警察署の他には神奈川県の横浜水上署、兵庫県の神戸水上署と、日本では水上警察署は3つしかない様です。


水上警察署の真前に立派な防潮扉がありました。ちょうど坂で車体が動くので、後輪の下にレンズキャップを置きました。


水上警察署の向かいは中央突堤北岸壁。警察署前の岸壁にはベンチが並び、サイクリング途中の休憩におすすめのスポットです。


大阪港中央突堤の先端、大阪港ダイヤモンドポイントからは大阪湾の景色を楽しめました。調べてみると、大阪港で夕陽がいちばん美しい場所とされている様なので、時間が許せば夕方にまた立ち寄ることにします。

対岸は南港。高層のビルはコスモタワー、大阪府咲洲庁舎です。ちょうどこのダイヤモンドポイントの下から対岸まで、海底トンネルで中央線が結ばれています。中央線は、大阪市内は地下を走り、阿波座駅から大阪港駅までは地上区間、そしてまた大阪港咲洲トンネルで海の下をと、変化に富んだ車窓が楽しめます。

中央突堤から築港中心部へ戻る途中、阪神高速の真っ赤なトラス橋「港大橋」が見えました。上下2層のダブルデッキで、橋梁マニアではありませんが、見応えがあります。

港大橋の全長は980mで、中央径間510mは世界第3位、日本では第1位の長さを誇るトラス橋です。また橋下は4万トン級の大型コンテナ船が航行できるよう、海面から桁下まで50 m以上が確保されています。建造物といえば、東京スカイツリーや、関西なら日本で最も高いビルとして知られるあべのハルカスなど、塔や高層ビルが人気ですが、橋梁に注目してみるのもいいですね。<そういえば最近、サイクリストの間ではダム巡りも人気ですが…>

中央線より南側へやってきました。海遊館を中心に商業施設が広がる北側のエリアに比べ、倉庫街と住宅地からなる一見地味なエリアですが、歴史的建造物の雰囲気を生かしたクラシックカーミュージアム、レストランなどが入るこちらの築港赤レンガ倉庫など、見どころのあるスポットが点在しています。


この築港赤レンガ倉庫の存在は100年近い歴史を持つ近代化遺産として知ってはいましたが、1928年から1986年まで大阪臨港線という貨物線の大阪港駅だったということを今回知りました。下の写真は、1975年に撮影された国土地理院による大阪臨港線 大阪港駅周辺の航空写真です。貨物線の線路は写真右上で川を越えて倉庫街に入り、海岸沿いに左上へ抜けていきます。

*当記事の最後に掲載しているマップに、大阪臨港線の走っていた場所をプロットしています。

出典:国土地理院ウェブサイト(整理番号:CKK748、コース番号:C18、写真番号:6、撮影年月日:1975/03/04)

歴史の刻まれた建物は、映える車体写真を撮るのにも好都合。自転車に乗るときは荷物は軽くしたいところですが、被写界深度を浅くして背景をぼかすような写真はコンデジでは難しいので、悩むところですね。今回は2枚だけそういう撮り方をしています(後半に掲載しています)。


倉庫街の敷地の中にある年季の入った建物を、(弊社が敷地内の倉庫を借りている関係で)施設の許可を得て撮影させていただきました。こちらも大阪臨港線の施設の一部だったのでしょうね。当時の航空写真でみるとちょうど同じ位置に同じ規模の建物が確認できます。


当時の線路の一部がこの近くに残っていることを事前に知り、見に行きました。護輪軌条(脱線防止ガード)を備えたレールガ生々しく、当時の様子を物語りますね。



築港赤レンガ倉庫の裏手にある親水護岸からの眺め。大阪臨港線は実際に自分の目で見たことがないのでずいぶん昔のことのように思いますが、正面の立派な港大橋が開通した後も10年ほどは赤レンガ倉庫が貨物駅として利用されていたのですね。


中央線の北側エリアに戻り、珈琲を飲みに「喫茶 ロマン」へ入りました。知らない街でふらっと喫茶店に入るのが好きなのですが、今回は大阪臨港線の情報がありそうなことを事前に調べていたものです。とはいえ、珈琲で一息つくのはいいものです。(小心者なので、スマホでパチリ)


こちらは許可を得てから撮らせていただきました。店内の壁に10枚弱、昔の天保山界隈の写真が飾られています。臨港線が市電と平面交差しているこの写真は、大阪市内から天保山方面に向いた、天保山運河を渡る千舟橋の手前あたりだそうです。確かにマップで見ても、現在のみなと通と臨港線が交わっています。

喫茶 ロマンは温かく人情味のあるご夫婦でされていました。マスターに伺ったところ、この写真の頃は喫茶店ではなく八百屋をされていたそう。臨港線についても熱心に教えてくださったので、当時のことに詳しい方が行けば話が弾むのではないかと思います。

美味しい珈琲でリフレッシュできたので、少しだけ足を延ばしてみます。自転車だと思いつくままに行ったり来たりできるので、天保山界隈の狭い範囲を散策するだけでも便利ですが、よく走る車体にせっかく乗ってきたので、大阪臨港線の廃線跡を少し辿ってみます。

なみはや大橋に向かう途中の、難波津橋。そのすぐ横に、臨港線の橋台が残されています。臨港線の橋台はここ以外にも複数箇所でそのまま残っているようです。


第1突堤前交差点から見上げた港大橋。その圧倒される存在感はGoogleマップのストリートビューにリンクしておきます。


ちょうどその辺りから見た「なみはや大橋」。中望遠レンズで「ベタ踏み坂」風を狙ってみました。

テレビCMに登場して有名になった島根県松江市と鳥取県境港市を結ぶ「江島大橋」同様、水面上高さは45mですが、「なみはや大橋」は上部付近でカーブしているので「ベタ踏み坂」的な見え方では「江島大橋」の方が上ですね。

交差点を左折して北上し、天保山運河の上に出ました。時々船が行き交い、正面奥の高架橋には中央線の線路が。左手奥には大観覧車も望め、天保山らしい風景のひとつです。


八幡屋商店街の手前を曲がり、三十間堀川へ向かいます。写真は小さな入口で商店街の正面入口は中央線に接しています。この辺りはかつて港湾施設とともに栄えた街で、かなりの賑わいを見せたそうです。


三十間堀川に架かる港水道橋という人道橋が面白かったので、撮ってみました。昼間だったからか人通りもほとんど全くないので、落ち着いてファインダーを覗き込みます。後ろの船だまりや倉庫街のごちゃごちゃに車体が埋もれたので、被写界深度を浅くしてみました。なみはや大橋が遠方に見えます。


西に傾いてきた陽がいい感じだったので、川の中央あたりでも。写真は、その場所その時間との出逢いなので、面白いですね。


実は最近まで使われないままここにあった、かつての大阪臨港線の橋梁を見に来たのですが、残念ながら2019年の秋に撤去されたそうです。左手の凹んだ部分と右手の白い水門の部分が橋梁で渡されていました。


ウィキメディア・コモンズから、2011年の橋梁の様子です。橋桁は複線分が設けられていたものの、最終的に複線としては使われなかったそうです。


せっかくなのでそのすぐ近くの、甚兵衛渡船場を見にきました。大阪市の公営渡船は現在8航路が運航されていますが、その中で最も利用客が多いそうです。対岸から到着すると、人と自転車が乗り込んですぐにまた出航。勢いよく出航した渡船はUターンしてまた戻ってくるような円弧を描き、またUターンして対岸に到着。手前の渡船場で左舷の出入口から乗り込んだので、そのまま円を描いて対岸でも左舷から下ろすと思っていたところ、S字を描いたので驚きました。


陽がだいぶ傾いてきたところで大阪港ダイヤモンドポイントのことを思い出し、天保山に戻ることに。みなと通まで出て直線で大阪港駅方面へ。みなと通には車と歩行者それぞれから分離された自転車道が整備されているので、安全で便利なルートです。

天保山運河を越える千舟橋からは、阪神高速の料金所を見下ろしたり…


中央線を走るOsaka Metroの列車を眺めたり…と楽しいスポットではありますが、いよいよ日没の時間に近付いてきたので移動します。

冒頭の大阪港駅ホームでの写真にもあったとおり、中央線のラインカラーは大阪城公園の木々をイメージした緑ですが、近鉄けいはんな線と相互直通運転しているため近鉄の車両も見られます(写真は近鉄けいはんな線用7000系)。

日没には間に合いました。逆光で撮るのは難しいですが、夕方の大阪港ダイヤモンドポイントからの風景です。大阪にもこんな場所があったんだなぁと、改めて気付かされました。


今回巡ったポイントと走行ルートです。同じ道を何度も往き来したところもありルートは簡略化していますが、実際に走行した距離をマップ上で図ると約14kmでした。今回は大阪港ダイヤモンドポイントの夕陽を見るために天保山に戻ってきましたが、自転車散歩のスタートとゴールを異なる駅にすればコースの自由度はさらに広がります。自転車を利用して少し足を延ばせば、新しい発見がたくさんあります。いきなり輪行ではなくご自宅や最寄駅から自転車散歩を始めてみるのも、いいかもしれません。



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今回からスタートした「ローカル駅からはじめる自転車散歩」は如何でしたか?日本には全国くまなく駅があり、輪行すれば「楽に長距離を」「比較的安価に」移動でき、天候や体調の急な変化や機材トラブルにも対応できます。今回はMu SLXという車体が登場しました。輪行に向いた折り畳み自転車を選ぶ際は「折りたたみ方法がシンプルで簡単なタイプ」「折りたたみ時によりコンパクトになるタイプ」「折りたたみ時に持ち運びやすい形になるタイプ」「車体が軽いタイプ」といった点を重視すればベストです。DAHONでは様々な折り畳み自転車(フォールディングバイク)をラインナップしていますが、走行機能と折りたたみ機能のバランスを考えながら直感的な好みも含め、自分にあった製品を選んでください。

DAHONでは今後、様々な地方のローカルな鉄道駅を起点にした自転車散歩(ポタリング)記事を連載いたします。更新時にはFacebookやTwitterでお知らせしますので、ぜひフォローをお願いします。また近々「ローカル駅からはじめる自転車散歩」専用のInstagramアカウントもスタートしますので、こちらもぜひチェックをお願いします。


*使用車体
 DAHON / Mu SLX(ドライレッド)2021年モデル

*この記事で紹介している情報は、2021年1月時点の取材に基づいています。

2020年12月1日火曜日

14 inch カーボンホイール リリースのお知らせ

この度、大人気の14インチモデル「K3」に向けたカーボンホイールを新たに発売しますので、お知らせいたします。


「K3」はデフォルトのままでも、軽快かつ快適な乗り心地で皆様にご満足いただいていますが、せっかくのお気に入りのバイク、「そのままでもいいんだけど自分なりの個性を出したい」「さらに軽快な乗り心地にしたい」という方もたくさんおられます。今回お知らせするカーボンホイールは、そんな欲望を満たしてくれるアイテムになります。

発売は2021年1月頃を予定しています。下に記載の販売店にて只今ご予約を承っています。初回入荷数には限りがありますので、お早目のご予約をお願いいたします。
*2021年1月12日追記:本日より全国のDAHON正規販売代理店でもご購入できるようになりました。最寄りのDAHON正規販売代理店はディーラーリストからご覧ください。


14” Carbon Wheel

極小径車専用カーボンクリンチャーホイール。いまやDAHONを代表するモデルである「K3」にインストールが可能。リアホイールには3速カセットが標準で装着され、Vブレーキに対応したブレーキパッドホルダーとブレーキシューも同梱される。Sapim製の強固なスポークを採用し、より軽快な走りを実現してくれる。

Colors / Black
Sizes / ETRTO254 Front:74mm Rear:85mm
Rim Height / 30mm
Weight / Front:300g Rear:445g ※スプロケットを含む
Price / Front:¥54,000- Rear:¥59,000- ※税別






販売店はこちら。
*その他のDAHON正規販売代理店はディーラーリストからご覧ください。

【北海道・東北】
秀岳荘 白石店(北海道札幌市)
早坂サイクル 仙台中央店(宮城県仙台市)

【関東】
オレンヂジュース(栃木県小山市)
サイクルショップ タジマ(群馬県桐生市)
サイクルショップ ハクセン 鳩ヶ谷店(埼玉県川口市)
スポーツ館 カネコイングス(埼玉県朝霞市)
ベストスポーツ マルイファミリー志木店(埼玉県志木市)
サイクルテラス 幕張新都心店(千葉県千葉市)
橋輪(千葉県柏市)
Y's Road 船橋店(千葉県船橋市)
バイシクルセオ ららぽーと店(千葉県船橋市)
サイクルハウス しぶや お花茶屋店(東京都葛飾区)
Y's Road 渋谷本館(東京都渋谷区)
CROWN GEARS(東京都渋谷区)
FLAME bike(東京都渋谷区)
ベストスポーツ 新宿マルイ本館店(東京都新宿区)
Y's Road 新宿店アーバンeコミューター(東京都新宿区)
フレンド商会 阿佐ヶ谷店(東京都杉並区)
和田サイクル(東京都杉並区)
LORO 世田谷(東京都世田谷区)
Y's Road 上野本館(東京都台東区)
サイクルスタヂオ ハクセン(東京都台東区)
avelo Bicycle shop(東京都中央区)
LORO スロースポット(東京都中央区)
ベストスポーツ 東武池袋店(東京都豊島区)
Y's Road 池袋チャーリー店(東京都豊島区)
カルマックス タジマ(東京都国立市)
LORO サイクルワークス横浜(神奈川県横浜市)
Y's Road 川崎店(神奈川県川崎市)

【中部・北陸】
サイクランド マスナガ(石川県金沢市)
ミヤジマ石油(静岡県富士市)
じてんしゃのAKIRA(静岡県藤枝市)
Y's Road 名古屋本館(愛知県名古屋市)
サイクルテラス 熱田店(愛知県名古屋市)
じてんしゃひろば 遊(愛知県小牧市)
カミハギサイクル 小牧本店(愛知県小牧市)

【関西】
自転車のきゅうべえ 下鴨店(京都府京都市)
LORO サイクルワークス京都(京都府京都市)
LORO サイクルワークス(大阪府大阪市)
Bici Termini(大阪府大阪市)
サイクルランドナニワ 天神橋本店 スポーツ館(大阪府大阪市)
Rabbit Street ベイサイドモール店(大阪府岸和田市)
サイクルショップ ナカゴヤ(兵庫県神戸市)
O-Trick(兵庫県神戸市)
MOVE bicycles(兵庫県西宮市)
Lost & Found Bicycles(兵庫県尼崎市)
町のじてんしゃ修理屋さん 大浦街道店 (和歌山県和歌山市)

【中国・四国】
サイクルセンター岡山(岡山県岡山市)
TODAYA 岡北店(岡山県岡山市)
LORO サイクルワークス尾道(広島県尾道市)
自転車館 びーくる(山口県防府市)

【九州・沖縄】
Sputnik(福岡県福岡市)
LORO サイクルワークス福岡(福岡県福岡市)
しゃりんかん(熊本県熊本市)
THE CYCLE(大分県大分市)




*上記モデルは掲載販売店でのみ販売をされる商品となります。販売店が変更される場合などがあれば改めて告知させていただきます。
*2021年1月12日追記:本日より、全国のDAHON正規販売代理店でもご購入できるようになりました。
*出荷の都合上、取扱店によって在庫状況、販売時期が異なりますので詳しくは最寄りのDAHON正規販売代理店にご確認ください。