2020年11月26日木曜日

【2021 NewモデルPickUp!】Speed RB × サイクルトレイン「B.B.BASE」で行く北総佐原の田園ライド

 DAHON 2021年モデルに待望のドロップハンドルモデルが登場。クロモリフレームの定番モデルとなる「Speed Falco」をベースに、走行性能を向上させた「Speed RB」。451ホイールにディクスブレーキ、Shimano Tiagra 4700シリーズで統一された変速系統と、ハイグレードモデルに相応しいスペックを誇る。今回は、JR東日本のサイクルトレイン「B.B.BASE」にSpeed RBを持ち込み、千葉県香取市の佐原エリアを巡った様子をお届けします。


B.B.BASE」とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が2018年1月6日より運行しているサイクルトレイン「BOSO BICYCLE BASE(房総バイシクルベース)」の略称。千葉「房総」の各地を「自転車」で駆け巡るための「基地」を意味し、電車そのものをサイクリングの「基地」にしようというコンセプトを表している。多くの鉄道会社では、公共交通機関に自転車を持ち込んで移動する「輪行」の際に、自転車は分解または折り畳んで輪行袋に収納することを義務付けているが、B.B.BASEでは車体をそのままの状態で列車の中に持ち込むことができる。

今回はB.B.BASEの発着駅として専用ホームもある両国駅から利用。通常の駅改札は通らずに方向ガイドに従い、国技館寄りの道路から3番線ホームに直結するB.B.BASE専用ゲートへ向かう。

3番線ホームへ続く専用通路には階段がなく、車体を押してスムーズに入場できる。

浮世絵の前に立つレトロ調の駅名標の行き先は房総。B.B.BASEは現在、館山、和田浦へ向かう内房コース、勝浦、安房鴨川方面へ向かう外房コース、佐原・鹿島コース、銚子コースと、千葉県内の4方向へ週替わりで運行されている。


程なくして、B.B.BASEが入線。車両にはコンセプトの「基地」をイメージさせるデザインが施されている。DAHONのFolding Bikeは簡単に折り畳んで輪行袋に収納できるが、輪行の手間を完全に排除したストレスフリーのB.B.BASEは、より気軽に自転車と遠出ができるサイクルトレインとして、輪行未経験者やビギナーにも優しい。

B.B.BASEは209系2200番台の6両編成。車内は4号車をイベントにも使えるフリースペースとし、1・2・3・5・6号車に座席(計99席)とサイクルラック(計99基)が設けられている。

サイクルラックにSpeed RBを格納してみた。フックを引いてガイドフレームを引き出し、前輪をガイドフレームに乗せて後輪をラックの中にはめ込む。あとはフレームをベルトで固定するだけで、1分もかからず簡単に格納できた。

JRではこの車体を縦置きするラックを開発したことで、省スペース化に成功した。しっかりホールドされているので電車特有の揺れに耐え、フレームにも傷がつかない。万が一の緊急停止の際にも心配は感じられない。座席は4人掛け・2人掛けのボックス席となり、横3列(2列+1列)の配置とすることでゆったりとしたスペースを確保。各ボックス席にはテーブルとコンセント(2口)も設置されている。全車両に滑り止めが施されたゴム床材を採用し、ビンディングシューズ着用のままの乗車でもOKと、至れり尽くせりだ。



今回の目的地、佐原には90分ほどで到着。B.B.BASEは往復とも改札前の1番線ホームを利用することで、自転車をそのまま押し歩いてスムーズに利用できる。日本遺産「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」四都市のうちの一つでもある佐原の玄関口、駅舎も風情ある佇まいでテンションが上がる。


茨城県との県境に近い佐原は「北総の小江戸」と呼ばれ、小野川沿いの重要伝統的建造物群保存地区には江戸時代の情緒ある街並みが残る。建築探訪のほか、ライド後にご当地スイーツ巡りや酒蔵の見学もお勧め。

古くから香取神宮の門前町として栄えた「佐原(さわら)」の名前は、香取神宮の祭典に使われる土器・浅原(さわら)に由来するといわれ、江戸時代に利根川の改修工事が完成したことで水運を中心に商業の街として発展した。当地出身の伊能忠敬が日本全土を測量し『大日本沿海輿地全図』を完成させたのもこの時期で、伊能忠敬旧宅や伊能忠敬記念館ではその人物像に触れたり資料を見ることができる。

今回はランチスポットまでの、片道14.5kmのコースをライド。市街地を抜けると田園風景が広がる中、緩やかなアップダウンのある気持ちの良いコースを楽しめる。信号も交通量も少ないため、ニューモデル Speed RBの走りを確認できる良い機会となった。

Speed RBは、451規格のホイールによる20インチながらも安定した走行性能に、Shimano Tiagra 4700シリーズで統一された変速系統の軽快な操作感、悪天候でも高い制動力を発揮するディスクブレーキの搭載など、折り畳み自転車が欲しいけど走りも犠牲にしたくない方にちょうどいいバイク。クロモリフレームのしなやかさは伸びのある走り心地と、路面からの振動を抑えることでロングライドでも疲れを感じにくくする効果も。

小高い丘の上にあるザ・ファーム カフェに到着。佐原駅から片道14.5km、往路の登り獲得標高は139mと脚力に自信のない方でも走り切れるコース設定で、ちょうどいい空腹感を感じた頃のランチとなった。

スポーツバイクは走行性能だけでなく、ルックスも重要。スタイリッシュな背景に映えるSpeed RBは、所有する喜びも感じられる一台。

緑に囲まれた中、木のぬくもりを感じられるモダンな空間で、農園野菜をふんだんに使ったシェフ自慢のランチ料理をいただいた。このザ・ファーム カフェは、客室は森と畑に囲まれたおしゃれなコテージやテントタイプの客室を備える「THE FARM」のエリア内にあり、園内ではほかに貸農園や温泉、BBQ、様々なアウトドアのアクティビティなども楽しめる。

ハンバーグランチにはガトーショコラまで付いて大満足。園内や近隣で収穫された新鮮な野菜は、見るからにカラダに良さそう。スポーツバイクでの適度な運動や身体にいい食事で、メンタル面でもリフレッシュされた。

今回取り上げたSpeed RBは、クロモリフレームの定番モデル「Speed Falco」をベースに、ディスクブレーキを搭載し、走行性能を向上させたハイグレードモデル。
*Link → Speed RB 製品ページ

走行性能を最大限引き出すため、FSA社製ダブルクランク(52/36T)とスプロケット(11-25T)をアッセンブル。STIレバー、FD、RDの変速系統は「Shimano Tiagra」4700シリーズで統一され、快適で正確な操作感を担保。

悪天候でも高い制動力を発揮するディスクブレーキシステムを採用。20インチながらも大径化した451ホイールで伸びのある走行性が得られ、走りを楽しめるフォールディングバイクとなった。


今回紹介したSpeed RBの入荷は来年だが、既に予約受付は開始されている。問い合せは全国のDAHON正規販売代理店まで。
*Link → ディーラーリスト


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全国に展開しているスポーツサイクル専門店 Y’s Roadでは顧客向けサービスとして、東日本旅客鉄道(JR東日本)と提携し来春からB.B.BASEを活用した様々なツアーを開催予定。房総半島をサイクリングしてみたい方、気軽に輪行を楽しみたい方、B.B.BASEを体験したい方、専門のスタッフのサポートで安心できるライドイベントに参加したい方は、今後のY’s Roadからのアナウンスに要注目!




*撮影協力
 B.B.BASE(JR東日本千葉支社)
 Y's Road(ワイ・インターナショナル)
 THE FARM

*使用車体
 DAHON Speed RB(アキボウ)

*この記事で紹介している情報は、2020年11月時点の取材に基づいています。