2021年12月23日木曜日

ノンフォールディングミニベロ3モデル入荷記念「Think “GREEN”キャンペーン」実施のお知らせ

 2021年モデルで発表していたDAHONの新カテゴリーとなるノンフォールディングミニベロモデルが遂に全モデル入荷したことを記念して、購入キャンペーンを実施いたします。


DAHONは、地球環境を考えた移動手段として1982年に新しい自転車の開発をスタートさせ、コンセプトでも「グリーンモビリティ」を謳う、世界最大のフォールディングバイクブランドです。家で過ごす時間が増えて「ふつうってしあわせなんだ」ということにみんなが気づいた今、自転車での移動が環境にやさしいことを改めて考えるために、今回はリサイクルコットンを使用したDAHONオリジナルデザインエコバッグをプレゼントいたします。


「Think “GREEN”キャンペーン」実施内容

ご応募いただいた方、先着100名様にもれなくDAHONオリジナルデザインエコバッグをプレゼントいたします。
応募期間:2022年1月1日(土)〜3月31日(木)
     *応募期間より前にご購入された方も対象となります。
対象車種:D-Zero、Calm、MAKO
応募方法:
【Step 1.】ご自身のSNSアカウントで、ご購入いただいた対象車種の写真を、コメント、指定のハッシュタグ #ThinkGreenCampaign とともに投稿
【Step.2】氏名、郵便番号、住所、電話番号、投稿いただいたURLを info.dahon@akibo.co.jp 宛てにメールで送付

*SNSでの投稿は、弊社でも閲覧可能な公開設定されたものに限ります。
*投稿された写真とコメントは、当キャンペーンのレポートに二次使用させていただくことがあります。
*DAHONオリジナルデザインエコバッグは先着順に、2022年2月1日頃から順次発送いたします。発送時期は、多少前後する場合があります。


●DAHONオリジナルデザインエコバッグ


●対象車種

D-Zero D-ゼロ  Link→スペック等詳細(2021)
DAHON創業当初リリースしていた初期型モデル、通称「OLD DAHON」をベースに、現代の仕様と組み合わせて復刻。ハンドポストのみ折りたたみできるセミフォールディング仕様。
Speeds:7
Weight:11.3kg
Wheel Size:16inch
Rider Height Range:142〜180cm
Folding Size:W136 × H63 × D19cm
Saddle to Pedal:Min 705mm Max 970mm

*在庫状況:店頭にて販売中。新規予約は2022年1月頃入荷予定で受付中。

画像車体 Color:レッド

Calm カーム  Link→スペック等詳細(2021)
モデル名の通り「穏やか」な乗りやすさを重視したバイク。サイズも身長に合わせて2サイズから選べるタウンユースモデル。
Speeds:7
Frame Size:[M] 460cm  [L] 500cm
Weight:[M] 10.7kg  [L] 11.6kg
Wheel Size:20inch(ETRTO 406)
Rider Height Range:[M] 156〜165cm   [L] 165〜175cm

*在庫状況:店頭での販売は12月26日頃から順次開始。

画像車体 Color:スティールブルー

Mako マコ Link→スペック等詳細(2021)
2008年にリリースされたDashシリーズの原型となるモデル。DAHONの歴史でも貴重なノンフォールディングモデルであり、往年のモデルをベースとしつつも、ディスクブレーキ仕様にアップデート。軽量性と走行性能を合わせたハイグレードモデル。
Speeds:20
Frame Size:470cm
Weight:10.0kg
Wheel Size:20inch(ETRTO 406)
Rider Height Range:165〜175cm

*在庫状況:店頭にて販売中。新規予約は2022年4月頃入荷予定で受付中。

画像車体 Color:アイスブルー


*新規予約の入荷時期はカラー・サイズにより異なりますので、詳しくは最寄りのDAHON正規代理店までお問い合わせ下さい。
*他のキャンペーンとの併用はできません。
*当キャンペーンは予告なく内容を変更または終了する場合があります。あらかじめご了承ください。

2021年12月17日金曜日

ローカル駅からはじめる自転車散歩【JR東日本 横須賀線 北鎌倉駅】

ゆっくり起きた予定の無い休日の朝、折り畳み自転車とともに列車に乗って、ふらっと思いのままにローカル駅で降りてみる。特別な観光地ではなく、普通に人が暮らし、働き、近所の公園で子どもが遊んでいる、なんの変哲もない町だけど、のんびり走ってみると、いろいろな発見や出会いがある。そんな、小径車だからこそのゆるい自転車散歩をお送りする連載記事。今回はJR東日本 横須賀線 北鎌倉駅を起点に、日帰り鎌倉自転車観光に出かけます。



* * *


秋晴れの休日。今日は絶好のサイクリング日和。いつものように家の近所を目的もなく、ぶらぶらとサイクリングするのも悪くはないけれど、今回は日帰り自転車観光に出かけてみよう。

訪れた先は鎌倉です。鎌倉といえば、山と海に囲まれた小さな町です。車で訪れると道が狭く、渋滞ばかり。徒歩で回るには起伏も激しく、回りきれるものではありません。有名な観光地をいくつか回って、おしまいとなってしまいます。しかし、自転車があれば、小道をすいすいと走り抜けて、鎌倉の要所要所を回ることができます。もっとも効率よく観光地を楽しめるのではないかと考え、日帰り鎌倉自転車観光に出発です。


北鎌倉駅を出発し、いざ鎌倉へ

降り立ったのは鎌倉駅の一つ手前、北鎌倉駅です。ここまではJR横須賀線を利用しました。自転車を専用の袋に入れて、電車で運ぶことを輪行と言います。自宅からサイクリングで鎌倉まで来ると、到着することが目的となってしまいます。それでは、鎌倉観光を自転車で行うのは大変です。しかし、輪行で自転車を運んでくれば体力を温存し、時間を節約し、十分に観光することができます。


せっかく鎌倉市内を自転車で回るなら目的を持とうと、今回は鎌倉五山として有名な5つのお寺、円覚寺、建長寺、浄智寺、寿福寺、浄妙寺を訪れてみることにします。


朝早くだったからか、ハイキングの団体がたくさん。北鎌倉駅を集合場所として利用していたようです。町に人が戻ってきていますね。ちょうど紅葉の季節とも重なっていたので、北鎌倉駅近くにある円覚寺と建長寺は多くの観光客で賑わっていました。人の流れが切れるのを待って外観の写真を撮影しすぐにあとにしました。

3つ目に訪れたのは浄智寺です。浄智寺は円覚寺と建長寺の間にありますが、道一本入ったところにあります。人出がずいぶんと減り、静かで緑の溢れる鎌倉を堪能することができます。浄智寺の奥にさらに道が続いていき、森林浴をしながら進んでいくと、いよいよ自分一人だけ。前日の雨もあって適度な湿気があり、とても癒されます。

このまま峠を一つ越えようとしたのですが、残念ながら階段の道。自転車は持ち上げなければいけません。これでは前にも進めませんので、来た道を引き返すことにします。どうやら、その先はハイキングコースとなっていたようです。

浄智寺に向かうと、道を一つ入るだけで、静かな空間に包まれました。これも鎌倉の魅力ですね。



せっかく鎌倉に来たのなら、切通(きりどおし)を自転車で越えてみたい。切通は山を削って作られた山道。浄智寺近くにある亀ケ谷坂(かめがやつざか)ならば、歩行者及び二輪車で越えることができます。問題は、信じられないような急坂だということです。前日の雨で、特に路面が滑りやすく、下り坂で万が一滑っては大変。安全第一でサイクリングを楽しむためにも、ここは押して進むのが賢明ですね。切通を抜けて、いざ鎌倉へ!

鎌倉は天然の要害を利用して防御をした土地として知られ、南は海、北東西は山に囲まれた天然の要塞になっています。鎌倉幕府は、当時、防御策の一環として、あえて道を開かず山道のままにしていたそうです。そのわざと細くなっている山道を切通と呼び、代表的な7つが鎌倉七口と呼ばれているものです。

亀ケ谷坂は路面こそ舗装されているものの、道を切り開いた跡がはっきりと残っていました。名前の由来は亀が登るとひっくり返ってしまうくらいの勾配だからとの言い伝えもあります。あまりにも急坂で、本当に由来通りでした。

亀ケ谷坂を抜けて、鎌倉市街地へと進みます。ところで、鎌倉は神社仏閣が非常に多くあります。そのため、ちょっと小道に入るとすぐに神社かお寺が見つかります。そのような出会いを楽しめるのは折り畳み自転車でのサイクリング散歩の楽しさです。寿福寺に向かう途中で、神社とお寺が並んでいるのを見つけて、自転車ストップ。今回訪れる予定が全くなかったもので、まさに偶然の出会いです。

鎌倉五山の四つ目、寿福寺に向かう途中で神社とお寺を見つけました。帰宅後に調べてみると、智岸寺稲荷と伝・阿仏尼の墓でした。

さらに、寿福寺の横道には手彫りトンネルがありました。昔の人が、トンネルを手で掘った跡は今もなお残されていました。何も言われなければ気づかない。トンネルは、参道の片隅にひっそりと佇んでいたのが印象的でした。

寿福寺に到着。ここは門を抜けると、木々に左右から包まれる感じになり、また木漏れ日を楽しむことができます。奥の階段を上がっていくと、北条政子や源実朝のお墓が安置されていることでも有名です。今回は自転車なので、階段を上がっていくことはできず、先に進みます。



寿福寺の訪問を終えると、鎌倉五山の中で、訪れていないのは浄妙寺だけです。浄妙寺は他の鎌倉五山から少し離れたところにあります。しかし、真っ直ぐ、浄妙寺に行くのではなく、迂回していくことにします。寿福寺からそのまま道をまっすぐ進むと、鎌倉駅西口、さらにそのまま進めば由比ヶ浜に出ます。

鎌倉駅へ続くトンネル、現在は切通の面影はなく、時代の変化を感じずにいられませんでした。

鎌倉駅を通り過ぎると、自転車ならば、由比ヶ浜まではすぐ到着します。しかし、またも訪れる予定のなかった場所を偶然に発見して足を止めることに。このように寄り道ばかりしてると全く先に進むことができませんね。でも、それが折り畳み自転車による観光の楽しさでもあります。

突如現れたのが和田塚というところ。またしても予定外の訪問となりました。和田といえば、鎌倉幕府内で、北条家との権力争いに敗れた名家です。今も石碑が残り、地元の人がそこの掃除を丁寧にされているのが印象的な場所でした。

ようやく由比ヶ浜に到着。サーファーをはじめ、多くの人がマリンスポーツを楽しんでいました。ここで、サイクリング前半終了です。


カフェ休息しながら、滑川沿いを走る

後半のサイクリングは、由比ヶ浜から滑川沿いに北上していくことにします。由比ヶ浜は多くのサーファーや観光客でにぎわっているのですが、道一本入ると、地元の人たちの生活の伊吹が聞こえてくるような小道がたくさんあります。それがまた鎌倉の面白さではないでしょうか。それにしても寄り道ばかりで疲労を感じずにはいられません。「このあたりで少し休息を挟みたいところだなぁ」と思っているところでカフェを発見!これは寄り道をするしかありませんね。


訪れたカフェはJohn。古民家を改築して作ったカフェのカウンター越しからコーヒーを1杯もらいます。おしゃれなコーヒーマグカップ。静かな空間。遠くから聞こえてくる音楽。たまに通りから聞こえてくる車の音。カウンター向こうからのドリップしてくる香り。コーヒーの温かさ。味。こういったものが合わさって、元気を取り戻します。


サイクリング再開。鎌倉五山最後の浄妙寺を目指し、滑川沿いを上流に向かって進んでいきます。途中、大正13年に建造されたアーチ橋(東勝寺橋)にも寄り道を。

東勝寺橋は、関東大震災の復興期に多く建造されたアーチ橋の一つで、そのほとんどが撤去された今日、当時の姿を保つ希少な橋となっています。

ところで、自転車で走りながら、観光地を回っていると感じることがあります。参拝する場所の入り口までは自転車で行くことができます。しかし、神社とお寺の境内や本殿、拝殿は階段を上がった先にあることばかり。今日一日で自転車から降りる、階段を上る、参拝をする、という行動をいったい何回行ったでしょうか?鎌倉は山に囲まれていると感じずにはいられません。翌日は階段の上り下りによる筋肉痛間違いなし。

またしても寄り道です。源頼朝の墓と並んで、北条義時の墓が道沿いにあるのです。北条義時といえば、 2022 年の大河ドラマの主人公です。今は参拝客があまりいませんが、来年は盛り上がるのではないでしょうか。

大江広元の墓所近く、笑うしかない急坂でした。

途中、護良親王を祀っているお墓にも寄り道しました。2019年の台風の影響で中に入ることができません。

やっと、浄妙寺に到着です。駅から少し離れていることもあり、落ち着いて境内を散策することができます。奥まったところにはカフェもあったのですが、ここでまったり休んでしまうと、もう動きたくなくなってしまいます。喫茶を楽しむのは、また今度にします。

浄妙寺境内にて。他の鎌倉五山とはちょっと距離があります。境内は静かで広々とした空間が広がっていました。秋晴れの太陽を全身に浴びることができました。

鎌倉五山を制覇。しかし、せっかく滑川沿いを走ってきたので、このまま上流に向かって進んでいきたいと考えました。地図で確認すると、滑川上流には朝夷奈切通があるようです。そこを目指して、ペダルを回します。進んで行くとだんだん山道に。もちろん自転車は押して進むしかありません。

しかし、ここで残念な看板が!ここで引き返さなくてはいけません。しかし、この先がどうなっているかちょっと気がかりですので、自転車を置いて少し先まで進んでみました。確かに、自転車ではとても進めないような道になっていました。

濡れた路面なのか、小川なのかわからないような箇所がつづきます。ハイキングならば本当に楽しめそうなところです。


気がつけば夕焼けの時間

朝夷奈切通を引き返して南下すれば、逗子海岸に出ることができそうです。日没が近づいてきていましたので、夕方の素敵な景色に出会えることを期待して浜辺をめざします。

途中、名越切通があるようです。ここまでも切通をいくつか見てきたので、せっかくならと切通へ向かうことにします。「この判断を大失敗だったかも。」途中で、斜度20%はあるのではないか、という坂道が行く手を阻んだときに感じたことです。しかし、その先にあった切通は十分に見応え抜群です。


先に進むには自転車を持って行くのは不可能な感じでしたので、すぐに引き返しましたが、山を削って道を切り開いた当時の苦労が忍ばれる素敵な切通に出会えました。

逗子海岸に到着。夕方が近くなるに連れて、風も強くどうやら注意報が出ているようです。しかし、ここまでの疲労すべてを癒してくれるかのような素敵な赤色が辺りを包みはじめます。

海岸沿いではサーフィンをしている人、波打ち際で遊んでいる人、ペットの散歩に来ている人、バーベキューをしている人、バレーボールをしている人、サッカーをしている人など思い思いそれぞれの休日を楽しんでいます。私も夕陽を眺めながら、今日のサイクリングを振り返りつつ、日の入りを待ちます。

思い浮かぶのは厳かで凛とした寺院の数々、偶然発見する歴史の跡、坂道ばかりの街、切通に残された歴史、どれもこれも、今日一日かけて自転車で休日を堪能した結果、発見したものです。そして、波の音を聞きながら夕陽を眺める。なんと贅沢な一日でしょうか。





秋の夕暮れはつるべ落とし。瞬く間に終わってしまいます。夜道を走り、出発地点に戻るのは危ないです。さらに秋の夜は冷えます。そこで、近くの逗子駅に向かい、そこから輪行して家路に着くことにします。逗子、葉山エリアといえばマーロウのプリンが有名です。家族へお土産を買いました。


駅へ到着すると、次の電車まであと5分。簡単にコンパクトにできる折り畳み自転車なので、3分ほどで輪行の準備完了です。帰りの車内では、今日撮影した写真を眺めながら、充実した日帰り鎌倉自転車観光を振り返ることができました。



今回巡ったポイントと走行ルートです。約23kmの、切通までの坂やお寺の階段などで体力を使いましたが、新たな発見も多い自転車散歩でした。



* * *


今回の「ローカル駅からはじめる自転車散歩」は如何でしたか?鎌倉編では、観光地をぐるぐる周り、車では絶対ありえない偶然の出会いを楽しむこともできました。日本には全国くまなく駅があり、輪行すれば「楽に長距離を」「比較的安価に」移動でき、天候や体調の急な変化や機材トラブルにも対応できます。さらにスタートとゴール地点は同じ場所ではなくてもよいので、走行経路は自由に組み立てることができました。今回利用したDAHON Visc EVOは20インチでも大きめのホイールに加えて、フロントギアが標準の20段変速のギアを備えています。鎌倉のようにアップダウンの多いところでも、ほとんど苦労なく進むことができました(一部、信じられないような坂道を除く)。皆さんもDAHONの折り畳み自転車(フォールディングバイク)を持参して、自転車散歩という休日の愉しみはいかがでしょうか。DAHONでは様々な折り畳み自転車をラインナップしていますので、走行機能と折り畳み機能のバランスを考えながら直感的な好みも含め、自分にあったモデルを選んでください。

DAHONでは様々な地方のローカルな鉄道駅を起点にした自転車散歩(ポタリング)記事を連載しています。更新時にはFacebookやTwitterでお知らせしますので、ぜひフォローをお願いします。また「ローカル駅からはじめる自転車散歩」のInstagramアカウントもぜひチェックしてみてください。


*使用車体
 DAHON / Visc EVO(Color:マットブラック)2022年モデル

*この記事で紹介している情報は、2021年12月時点の取材に基づいています。
*歩行者のいるところや細い路地などは押し歩きや迂回するなど、マナー優先でサイクリングを楽しみましょう。

2021年12月13日月曜日

DAHONオリジナルNewリアラック「Adjustable Rear Rack」のご紹介

密を避けた移動手段として自転車が見直され、荷物を運ぶためのリアラックが注目されています。今回は、DAHONの新商品「Adjustable Rear Rack」をご紹介いたします。



これまでのDAHON純正リアラックは装着できる対象車種が限られていましたが、この度より多くのモデルに対応したリアラックがラインナップされました。リアラックの取り付けに関してお問い合わせが多かったSpeed Falcoにも装着していただけます。

Adjustable Rear Rack アジャスタブルリアラック
耐荷重:25kg
カラー:ブラック、シルバー *シルバーは1月出荷開始を予定しています
対象車種(現行モデル):Mu SLX・Speed Falco・Speed RB・Boardwalk D7・Calm・D-Zero
販売価格:8,250円(税込)




カスタム例:パニアバック(非売品)を装着。




2022年1月には、シルバーパーツで構成されBoardwalk D7・Calm・D-Zeroにも似合うAdjustable Rear Rack(シルバー)の入荷も予定しています。ぜひご検討ください。

*お買い求めは全国のDAHON正規販売代理店にてお問い合わせください。

2021年11月29日月曜日

ローカル駅からはじめる自転車散歩【阪急電鉄 千里線 南千里駅】

 ゆっくり起きた予定の無い休日の朝、折り畳み自転車とともに列車に乗って、ふらっと思いのままにローカル駅で降りてみる。特別な観光地ではなく、普通に人が暮らし、働き、近所の公園で子どもが遊んでいる、なんの変哲もない町だけど、のんびり走ってみると、いろいろな発見や出会いがある。そんな、小径車だからこそのゆるい自転車散歩をお送りする連載記事。今回は千里ニュータウンの南端、阪急電鉄 千里線の南千里駅を起点に、紅葉のある美しい風景を巡ります。



* * *


千里ニュータウン(以下、NT)と言えば、とにかく「緑」。日本初の大規模ニュータウン構想として注目された千里NTは、1962年のまちびらきから半世紀が過ぎ再開発が急速に進められる一方、公園や街路樹、緑地帯などの木々は昔と変わらない景観を留め、またより一層美しく立派に成長しています。

道路環境については、自転車専用道路はほとんど見られませんが、土地の高低差を利用して車道沿い以外のところで自転車歩行者道のネットワークが張り巡らされていて、住宅街の中や公園を縫うように自転車散歩を楽しむことができます。通過交通を避けるように配置された道路は交通量が少なく幅員も広いため、車道左側での自転車の通行にも好都合です。


前置きはそれくらいにして、さっそく自転車散歩に出掛けましょう。こちらは、今回起点とした南千里駅の北側。昭和の頃は盆踊りも行われた広い噴水広場がありましたが、商業施設も建て替えられすっかり様変わりしています。

今回の車体は、クロモリフレームのBoardwalk D7。ベーシックな折り畳み方で、誰でも直感的に取り扱えます。

まずは駅から東へ進み、高野台へやってきました。こちらは、NT開発前の丘陵地形の一部が残された、起伏に富んだ敷地の高野公園です。昔は大和谷(やまとだに)公園と呼ばれていて、現在保育園のある場所には南千里市民プールがありました。

写真には写っていない左右はすり鉢状の斜面になっていて、もともと谷地で水が集まりやすい所にプールを置いたようです。当時は高度成長期の終盤で、核家族化も頂点に達した頃。市民プールはファミリーや夏休みの小中学生で、随分賑わっていました。

高野公園を抜けて、高野台を南北に貫く通りへ。南へ向かえば高野台中学校、北へ向かえば千里高校。特に愛称などもない通りですが、静かに、美しく紅葉した街路樹が並んでいます。


ふと目についたマンホール蓋。1970年の大阪万博のシンボル、岡本太郎さんの太陽の塔が中央に配されています。

吹田市内では一般的なこのマンホール、後で調べると周囲には市民の木クスノキと、市の花サツキがデザインされていました。 

ヒメボタルの説明板が立つ、山田西公園の入口です。山田西公園は、NTの環境を守るためにNT全体を外周緑地で囲んだ千里緑地の中にあります。


山田西公園には地元の方が多く散歩されていました。高明池を泳ぐカルガモをぼーっと眺めにくるだけでも、価値がありそうな場所です。



山田中学校と西山田小学校の南側は、自然のままの雑木林が残された非常に緑深い千里緑地を散策できます。

千里緑地のヒメボタルは吹田市の天然記念物になっていて、毎年5月下旬に多く発光するそうです。

高野台の北側から東側へ。高野台スポーツグラウンドの周りには美しい紅葉スポットが広がっていました。

近くの保育園の子どもたちが、先生と落ち葉を拾っていました。何かの工作に使うのでしょうか。

見上げると色とりどりの葉っぱ。朝方は晴れたり曇ったりだった空も、青空が広がってきました。むらさき公園にかけての道は、もみじのトンネルが続いています。



むらさき公園の南側、東西に走る府道135号は、約3.5kmのイチョウ並木として有名な「千里ぎんなん通り」です。かつては千里1号線とも呼ばれていました。自転車で走りながら色々な場所で撮ってみましたが、高野台中学校前の歩道橋の上からのアングルが、いちばんしっくりときました。

この歩道橋は、橋桁には「高野台歩道橋」と書かれていますが、後から資料(1969「千里」、2013「千里ニュータウンマップ」)で見ると「いちょう橋」と記載されていました。


「千里ぎんなん通り」を西へ進むと、右手が高野台、左手が佐竹台。佐竹台に入り、ぼだい(菩提)池のある佐竹公園にやってきました。木々が多く、水辺も近く感じられるように作られているので、ゆったりとした散策や休憩に気持ちの良い公園です。

写真は池の北側。佐竹台という地名は、もともとこの地には大字佐井寺が90%以上も位置し、その区域のほとんどが竹林であったところから名付けられたそう。

佐竹台は1962年に誕生した日本初の大規模NT、千里NTの中でも最初にできた住区。公園の木々も、半世紀を超えて大きく成長しています。春は桜、夏は蓮(ハス)が美しく咲きます。

池の東側のメタセコイアの並木も立派に育っています。

阪急の高架をくぐって桃山台へ。千里丘陵を開発して作られた千里NTの土地は起伏に富み、車と出会うことなく住区内を周ることが可能な自転車歩行者道が張り巡らされていることから、谷筋の、川ではなく車道を渡る歩道橋もたくさんあります。

写真は、桃山台2丁目と3丁目を結ぶ歩道橋(もものき橋)から。左奥にも自転車及び歩行者専用の青い標識が見えます。

桃山台の南西角は桃山公園、そのすぐ西には新御堂筋が通っています。道路の両脇ではちょうど、イチョウ並木が美しく紅葉しています。大阪市内から千里に入る際に目にすることの多い、千里の緑の多さを象徴する風景です。


新御堂筋沿いのイチョウに対して、春日大池を取り巻く公園内側はメタセコイアに似たラクウショウが紅葉中。改めて考えると、針葉樹も紅葉するのですね。


サイクリングの前半は公園巡りのようになっていますが、ちょうどお昼時になったので南千里の駅前でパンを買い込み、千里南公園のベンチへ。公園は西側はカフェレストラン(bird tree)が出来てから特に人通りが多くなりましたが、こちらの東側は昔と変わらず穏やかな雰囲気に包まれています。

カフェが2019年に出来て人通りが多くなったからなのかは未確認ですが、公園の園路は原則走行禁止なので要注意。自転車を降りて押し歩きすることは問題ありません。

写真は、公園南側から西側を見たカット。左の立派な並木はラクウショウ(公園内にはメタセコイアも)。伝承から名付けられた池の名前(牛ヶ首池)は1968年に住民からグロテスクと指摘されて「あやめ池」に改名したものの、また元に戻したという経緯があるそうです。

公園南東部では阪急電鉄唯一の山岳トンネルとなる「千里トンネル」を直近に見られるので、鉄道ファンには有名なスポットかもしれません(阪急電鉄の子会社の能勢電鉄にはトンネルは有ります)。


南公園から北に進むとすぐ、このようなロータリー交差点があります(津雲台2丁目ロータリー)。千里NTの実験都市らしい側面を象徴するもののように思います。横断歩道に対する一時停止位置はあるものの、ラウンドアバウトと呼ぶべきかは詳しくないので分かりません。


幼稚園を横目に九十九坂を少し上ると、津雲台小学校の前から長く急な下り坂。そして保育園を通り過ぎる頃に見えてくるのが、またロータリー(津雲台5丁目ロータリー)です。


千里NTは中国自動車道や大阪モノレールも走る大阪中央環状線を境に南北に分かれます。前半の南側をゆっくり散策して時間がだいぶ過ぎたので、今回の最大の目的地に徐々に向かうとします。津雲台から古江台へは、スロープで自転車も行き来できる弘済橋でショートカット(狭いので押し歩きましょう)。振り返るとちょうどモノレールが。小さな子どもも喜びそうなスポットです。


緩やかながらも長い坂を上って、古江公園へ。団地や線路に囲まれていながらもそこそこ広くて樹木も多く、小学校が終わる昼過ぎまではとても静かな様子です。千里NTは人工的に作られた街ですが、5、60年経った公園の風景は既に本物の自然とも言えます。


古江公園から阪急の線路沿いに坂を下ったところで、美しい景色が視界に飛び込んできました。今回は紅葉スポットを少し調べながら巡っていたのですが、全く予想していなかった突然の出会いです。坂道沿いの土手に植えられたメタセコイアが、西に傾きかけた太陽の光に照らされてキラキラ輝いています。


線路を東側へくぐり、坂道を上り終えたところにあるのが、藤白台2丁目ロータリー。千里NTにあるロータリー交差点は、これら3箇所のみではないかと思います。奥のマンションの場所には以前は藤白台近隣センターがあったのですが、1965年春のオープン直後に映画のロケで吉永小百合さんが来られ、1966年には昭和天皇が視察でロータリー周回、1968年には当時の皇太子ご夫妻もお見えになった由緒ある場所だそうです。

「近隣センター」は約60年前、生活に必要となる機能を計画的に配置する「近隣住区論」の考えから各地区に開設された、NT版商店街のようなものです。藤白台近隣センターはNT内で唯一、組合が一括して土地・建物を保有し経営していたことから、スムーズに再開発事業が行われ再生されました。

お待たせしました。今回の最大の目的地が、こちらの紅葉スポット「三色彩道」です。初めて知りましたが、ちょっとした人気スポットになっている様です。こちらの写真は保育園前の交差点から東を向いたカットで…

タイワンブウ、アメリカフウ、トウカエデといった街路樹が、春(新緑),秋(黄葉),初冬(深紅)と1年を通して3色に変化することから「三色彩道」と命名されたそうです。(注:横断歩道から撮影しています)

こちらの写真は、交差点から西を向いたカットです。坂を下り切ったところに阪急の高架が見えます。自転車を停めて写真を撮っていると、二人連れの女性から「ここのマンホールも見たぁ?」とご親切に助言が。この場を借りて、ありがとうございました。


教えていただくまで存じ上げませんでしたが、吹田市によるデザインマンホール蓋の取り組みで、紅葉が美しい「三色彩道」の風景が切り取られていました。

起伏のある千里NTでのサイクリングは、なだらかながらも終始上ったり下ったりの坂道ばかり。自転車だからこその気持ち良さを堪能できますが、1日中走っていると地味に疲れてきます。小休止した青山台近隣センターの前にも、NTらしい歩車分離を象徴する歩道橋が。


気になったので歩道橋まで上ってみたら、素敵な景色が広がっていました。右手は青山公園、遠く向こうに見えるのは箕面の山です。走り回って疲れましたが、徒歩だと困難な距離も自転車だと欲張ってどんどん進めてしまいます。

千里NTといえば建築好きや団地マニアに注目されている個性的な団地も有名ですが、それだけで大きなテーマになってしまうので今回はスルーしています。


青山台を抜け、新千里北町、新千里東町の気になる道を散策。古江台にある千里中央公園に到着した頃には、だいぶ陽が傾いていました。少しカタログ的ですが、今日の記念に落ち葉の絨毯の上で車体を撮影。子どもたちの遊ぶ声に混じって、あちらこちらから野鳥の鳴き声も聞こえます。


今回の車体はDAHONの昔からの人気モデル、Boardwalk D7(ブリテッシュグリーン)。洗練されたヨーロピアンスタイルが、紅葉のある街並みにも似合います。


今回巡ったポイントと走行ルートです。ちょうど20kmほどですが、全体的にアップダウンのある自転車で走って気持ちのいいルートでした。今回は紅葉のある風景を求めて走りましたが、例えば春には桜の美しい風景を求めてサイクリングするのもおすすめです。また千里NTには総合公園 3カ所、地区公園 3箇所、近隣公園 12箇所、街区公園 22箇所の公園、外周を取りまく周辺緑地(千里緑地)が約88ha整備され、それら以外のちょっとした細街路や個人住宅の庭先にも豊かな緑が溢れています。自分だけのお気に入りのスポットを探してみるのもきっと楽しいことでしょう。




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今回の「ローカル駅からはじめる自転車散歩」は如何でしたか?久しぶりの関西編は、日本初の大規模ニュータウンとして開発された千里ニュータウンを取り上げました。観光地ではなくても自分なりの気付きや感動があれば、知っているつもりだった地域でも走ると案外楽しいものです。日本には全国くまなく駅があり、輪行すれば「楽に長距離を」「比較的安価に」移動でき、天候や体調の急な変化や機材トラブルにも対応できます。今回利用したDAHON(ダホン)のBoardwalk D7は、気軽にもスポーティーにも乗れる人気のロングセラーモデルです。皆さんもDAHONの折り畳み自転車(フォールディングバイク)を持参して、自転車散歩という休日の愉しみはいかがでしょうか。DAHONでは様々な折り畳み自転車をラインナップしていますが、走行機能と折りたたみ機能のバランスを考えながら直感的な好みも含め、自分にあった製品を選んでください。

DAHONでは様々な地方のローカルな鉄道駅を起点にした自転車散歩(ポタリング)記事を連載しています。更新時にはFacebookやTwitterでお知らせしますので、ぜひフォローをお願いします。また「ローカル駅からはじめる自転車散歩」のInstagramアカウントもぜひチェックしてみてください。


*使用車体
 DAHON /Boardwalk D7(Color:ブリテッシュグリーン)2022年モデル

*この記事で紹介している情報は、2021年11月時点の取材に基づいています。
*歩行者のいるところや細い路地などは押し歩きや迂回するなど、マナー優先でサイクリングを楽しみましょう。